PHP利用から考える使いやすいレンタルサーバー

各社レンタルサーバーの基本的なサービス

インターネットでビジネスやアフィリエイトをするとき、独自ドメインと一緒に必要になるのがレンタルサーバーです。 専用サーバーや自前でサーバーを立てない限り、レンタルサーバーを契約することになります。
初めてWebページやブログを公開する方の殆どはレンタルサーバーを借りると思います。

とてもたくさんのレンタルサーバーがありますが、よく目にするCORESERVER、Value-sever、XSERVER、さくらインターネット、ロリポップの代表的なプランを比較してみました。
  • 使用できる容量
  • メール
  • FTP
  • シェル(SSH)
  • サブドメイン
  • マルチドメイン
  • .htaccessを使ったアクセス制限
  • 無料SSL(Let's Encrypt)
  • 利用できるプログラミング言語
  • 利用できるデータベース
  • WordPressなどのCMSの簡単インストール機能
などの基本的なサービスは各社大きな違いはないようです。 詳しい比較は他の多くのサイトにありますのでそちらをご参照ください。

お薦めのPHP環境

ここでは、PHPについてそれぞれのサーバーの対応状況を深く見ていきます。 PHPはWeb用のプログラミング言語で、多くの方が使われるWordPressもPHPで書かれています。

PHPはWordPress以外にもWebで動く多くのソフトウェアで使われています。 ビジネスが軌道に乗ったら、WordPress以外のソフトウェアをインストールする機会も多いと思います。
ビジネスを発展させようとした時困らないように、各レンタルサーバーの状況を確認して、自分の運用方針に合った所を契約してください。

PHPはCGI版PHPとモジュール版PHPの2種類があります。 それぞれの特徴やどのように選択したら良いかはCGI版PHPとモジュール版(スクリプト版)PHPをご覧ください。

一番安心できるのは、モジュール版PHPとFastCGI版PHPの両方を同時に使うことができ、ディレクトリ毎にPHPのバージョンなどを変えることができるレンタルサーバーだと考えています。

絶対に1つのソフトウェアしか利用しないと決まっているのなら、その1つのソフトウェアの推奨環境を見て、適合するお好きなレンタルサーバーをお使いください。

ですが複数のソフトウェアを使う可能性がある場合は、ディレクトリ毎にPHPのバージョンや環境を変えることができるレンタルサーバーがお薦めです。 色々設定できると迷うと思われるかもしれませんが、後々のバージョンアップなどのことを考えると色々できた方が楽です。 (理由は、CGI版PHPとモジュール版(スクリプト版)PHP-動作環境の切り替えをご覧ください。)
柔軟なレンタルサーバーは初心者にこそ使って欲しいと考えます。


各社レンタルサーバーのPHP

モジュール版PHPは、ディレクトリ毎のバージョン変更、php.iniの利用はできません。 また実行権限はWebサーバー(通常Apache)になります。
違いが出るCGI版PHPを中心に表にしました。

CORESERVER

CGIタイプ FastCGI+キャッシュ
バージョン切替
ドメイン毎
公式マニュアルに利用可とある
バージョン切替
ディレクトリ毎
ディレクトリごとにも切り替えられるが、その場合はFastCGIではなくCGIになる
php.ini
ドメイン毎
公式マニュアルに利用可とある
php.ini
ディレクトリ毎
一応可能な様子
実行権限
(プロセス)
PHP(ユーザー)
注意事項 モジュール版PHPの提供なし。
個人的な感想 比較した中では自由度が高く柔軟性があります。
ダウンする率が少し高め、OSやPHPのバージョンアップが少し遅めらしいです。
ディレクトリごとに切り替えられるPHPがFastCGIではなくCGIなのがとても残念。
カスタカーサポートでわからないことは、テクニカル部門に尋ねて返信してくれるので安心です。
ユーザーの事も考えてくれていると感じます。

Value-sever

CGIタイプ CGI+キャッシュ
バージョン切替
ドメイン毎
公式マニュアルに利用可とある
バージョン切替
ディレクトリ毎
ネットにも情報なし
php.ini php.iniの変更自体が不可
実行権限
(プロセス)
PHP(ユーザー)
注意事項 PHP5.6はモジュール版PHPの提供あり。
cron利用はプランによって個数制限あり。1時間に1回しか利用できない。
安いプランはDBにも制限あり。
個人的な感想 CORESERVERと同じ会社が運営している、CORESERVERの廉価版という感じのレンタルサーバーです。
サポートはCORESERVERと同じで安心です。
ユーザーの事も考えてくれていると感じます。

XSERVER

CGIタイプ FastCGI+キャッシュ
バージョン切替
ドメイン毎
公式マニュアルに利用可とある
バージョン切替
ディレクトリ毎
以前は可能だったが、最近不可能になった様子
php.ini
ドメイン毎
公式マニュアルに利用可とある
php.ini
ディレクトリ毎
以前は可能だったが、最近不可能になった様子
実行権限
(プロセス)
PHP(ユーザー)
注意事項 モジュール版PHPの提供なし。
cronの設定がさくらインターネットやロリポップ!と異なり癖がある。
個人的な感想 とても堅実なレンタルサーバーです。ユーザーの事も考えてくれていると感じます。
以前は非公式でもディレクトリ毎にPHPのバージョンや環境を変更できたのですが、現在はできなくなっている様子なのが非常に残念です。

さくらインターネット

CGIタイプ CGI(高速化処理なし)
バージョン切替
ドメイン毎
公式マニュアルに利用可とある
バージョン切替
ディレクトリ毎
公式にはサポートされていないようだが、ネットにはできる方法がある
php.ini
ドメイン毎
公式マニュアルに利用可とある
php.ini
ディレクトリ毎
公式にはサポートされていないようだが、ネットにはできる方法がある
実行権限
(プロセス)
PHP(ユーザー)
注意事項 モジュール版PHPの提供あり。干渉が起こらないように設定していると思われる。
公式にはCGI版PHPとモジュール版PHPを同時に、ディレクトリによって使い分けることはできないとなっているが、ネットには方法がある。
CGIはFastCGIではないので、速度が遅いと考えられる。
Webからアクセスできない(Webより上位の)ディレクトリの使用可能。
cron利用は5つまで。
個人的な感想 FastCGI版PHPを提供してくれていれば、柔軟にPHPの環境を切り替えられるし、かなり安心して選択できるのですが残念です。

ロリポップ!

LiteSpeed版PHPの提供もありますが割愛します。
CGIタイプ CGI(高速化処理なし)
バージョン切替
ドメイン毎
公式マニュアルに利用可とある
バージョン切替
ディレクトリ毎
ネットにも情報なし
php.ini
ドメイン毎
公式マニュアルに利用可とある
php.ini
ディレクトリ毎
ネットにも情報なし
実行権限
(プロセス)
PHP(ユーザー)
注意事項 モジュール版PHPの提供あり。
CGI版PHPとモジュール版PHPを同時に、ディレクトリによって使い分けることはできない様子。 CGI版PHPかモジュール版PHPのいずれかを選ぶことになる。
CGIはFastCGIではないので、速度が遅いと考えられる。
Webからアクセスできない(Webより上位の)ディレクトリの使用はできるがサポート外。
cron利用はプランによって最短実行間隔が決められている。安いプランでは5分ごと、高いプランでは1分ごと。
個人的な感想 イケイケ、ノリノリな感じです。
新しい事が好きな方はロリポップ!と相性がいいのではと思います。

このページで比較したのは各レンタルサーバーの代表的なプランです。 他のプラン、最新情報、詳しい情報は各レンタルサーバーのWebページで確認してください。


ちなみに、このWebサイトを動かしているのは、inetdというレンタルサーバーです。聞いたことがないかもしれません。
正直、初心者にはあまり優しくないかもしれないですが、使い慣れてしまうと柔軟でとても便利なレンタルサーバーです。

inetd

CGIタイプ FastCGI
バージョン切替 自由自在。ディレクトリ毎、アカウント毎、ドメイン毎など臨機応変に設定可能
php.ini 自由自在。ディレクトリ毎、アカウント毎、ドメイン毎など臨機応変に設定可能
実行権限
(プロセス)
PHP(ユーザー)
注意事項 モジュール版PHPの提供なし。
cronの設定が管理画面からできないので、少し難儀かも。
個人的な感想 初心者には難しいかもしれませんが、一旦慣れると他のレンタルサーバーは不便に感じるでしょう。
初めは戸惑うかもということを覚悟できる場合はお薦めです。