複式簿記について

必要経費

どのようなものが経費として認められるのかみてみましょう。
『主たる部分が業務上必要な経費で、かつ、その必要である部分が明らかに区分できる場合』(青色申告、白色申告)
つまり主にネットビジネスに使っていて、私的な利用と明らかに区別できる場合、ということになります。

『青色申告者が取引の記録などに基づいて業務の遂行上直接必要であったことが明らかにされる部分に相当する経費』(青色申告)
つまり主にネットビジネスに利用するのではない物(ちょっとネットビジネスに使った物)でも、ネットビジネスに必要であったことが明らかにできる額は経費にできる、ということです。

経費にできる額も青色申告のほうが白色申告より大きい、つまり節税効果が高いことになります。

具体的にどんな物が経費になるのでしょうか。
  1. プロバイダなどの通信費
  2. レンタルサーバー代
  3. 電話・電気・ガス・水道代
  4. ネットビジネスに関する本・情報誌・新聞など
  5. パソコン・周辺機器(プリンタ、外部メモリなど)
  6. ネットビジネスのオフ会に行った場合などの交通費
  7. オフ会などに行くとき車を使う場合は、そのガソリン代、保険料、整備料、車両費など
  8. 借家でネットビジネスをしている場合は家賃
  9. 持ち家でネットビジネスをしている場合は固定資産税、修繕費、家屋、住宅ローンの金利、火災保険料など
これらを、ネットビジネスで使用している割合に応じて経費にできます。
1〜7は、ネットビジネスにどれだけ使ったかを割合であるいは金額を経費にします。
例えば、インターネットをネットビジネスに40%、私用に60%の割合で使っている場合は、プロバイダ料金の40%を経費にします。
金額で計上することもできます。例えば、携帯代の内、通話は私用のみ、パケットはネットビジネスのみという場合、パケット代と、基本料の一部(時間などで按分)を経費にします。

6〜7のように、ネットビジネスオンリーであれば100%経費になるでしょう。

8〜9はネットビジネスオンリーで使っている部屋があれば、面積で割合を出します。兼用している場合は、面積と使用頻度(時間などで計算)から按分します。

ただし、経費とするかしないかは税務署が判断することなので、ここに書かれているものでも経費にならないことがあると思います。不明な点があれば管轄する税務署に尋ねてください。

ここでちょっと気をつけなければいけないのが、車両費、持ち家、場合によってはパソコンなどの高額な物を経費に入れる場合です。高額な物品の場合、一気に経費に入れるのではなく、毎年少しずつ経費に入れていきます。減価償却といいます。
2008年3月31日までに30万円以上の物を購入した場合は減価償却を行います。2008年4月1日以降は、30万円という限度額が変更になることが考えられますので、ご注意ください。
固定資産台帳をつける』で詳しく説明します。

いずれの場合も、経費で落とすときは、領収書などをきちんと残して、後で税務署にきちんと説明できるようにしておく必要があります。クレジットで購入すると、記録が残るので便利です。

経費になる税金

税金(租税公課)には経費になるものとならないもがあります。
経費になる租税公課
  • 固定資産税
  • 自動車取得税、自動車税
  • 不動産取得税
  • 登録免許税
  • 事業税、事業所税
  • 印紙税
  • 消費税の納付額
  • etc・・・

経費にならない租税公課
  • 所得税
  • 住民税
  • 相続税
  • 所得税、地方税の加算税、延滞税
  • 罰金
  • etc・・・
参考にしてください。

発生主義

簿記は本来、発生主義という考えかたで記帳していきます。
例えば、売上が上がった日と、売上が振り込まれた日は違うとします。決済代行を利用している場合、こうなりますよね。
こういう場合は、売上があった日は未収入金(売掛金)を記帳し、売上が振り込まれたら未収入金(売掛金)をマイナスし、銀行口座の預金に振り込まれた額をプラスします。

同じように、クレジットで買物をした場合をみてみます。
買物をした日と、代金が引き落とされた日は違います。
買物をした日は未払金(買掛金)を記帳し、代金が引き落とされた日は未払金(買掛金)をマイナスし、銀行口座の預金から引き落とされた額をマイナスします。

伝票を起こす

複式簿記では、まず伝票を起こす、という作業を行うようです。その伝票を元に、各帳簿へ転記していくようです。
みていると、この作業がとても面倒に思えます。結局は同じ事を伝票と帳簿に書かなければいけないからです。
そこで登場するのが会計ソフトです。会計ソフトは転記、月末や決算時には集計も自動で行ってくれる必需品です。
複式簿記でわかりにくいのは、伝票の書き方です。仕訳という作業をします。自動で仕訳してくれるソフトもありますが、ざっとでも理解しておいたほうがいいでしょう。
仕訳とは、取引を2つの視点(「借方」と「貸方」)でみて、記帳していくことです。「借方」と「貸方」別に貸し借りに関係しているのではありません。
例えば、先ほどの売上の例で売上金額が20000円あった場合を仕訳してみると
売上確定日の仕訳   (借方)未収入金 20000   (貸方)売上高  20000
売上振込日の仕訳   (借方)銀行口座 20000   (貸方)未収入金 20000
となります。
売上確定日は、貸方:売上があった、借方:後から代金を回収しなければいけない
売上振込日は、借方:銀行口座の預金が増えた、貸方:代金を回収した
という意味です。1つの取引ですから、すべて金額は同じになっていますね。

売上確定日の借方と、売上振込日の貸方を見てください。売上確定日の借方で未収入金を計上していますが、売上振込日の貸方で未収入金を計上することで、未収入金が打ち消されることになります。
2つの仕訳を合わせると、
(借方)銀行口座 20000   (貸方)売上高  20000
ですね。この仕訳は売上確定日と売上振込日が同一日の仕訳と同じになります。

事業主借と事業主貸

複式簿記では、あなたを、私的な個人としてのあなたと、ネットビジネスをやっているあなたとに分けて考えます。また、個人事業主は、給料を貰うことはできないので、事業のお金から生活費を出したり、お財布から事業の資金を出したりします。
事業のお金を生活費に当てたりすることを事業主貸といいます。事業をやっているあなたから私的な個人としてのあなたへお金を貸しているということです。
事業に資金を投入したりすることを事業主借といいます。事業をやっているあなたは私的な個人としてのあなたからお金を借りているということです。

ネットビジネスで使いそうな仕訳の例
ネットビジネスで使いそうな仕訳を挙げておきます。参考にしてください。金額は1つしか書いていませんが、借方、貸方で同じです。

まだ振り込まれていないが20000円の売上があった。
(借方)未収入金  (貸方)売上高    20000

20000円の売上がA銀行の口座に振り込まれた。決済代行の利用料500円と振込手数料200円は引かれている。
(借方)A銀行口座   (貸方)未収入金     20000
(借方)外注加工費  (貸方)A銀行口座     500
(借方)支払手数料  (貸方)A銀行口座     200

プロバイダ料金は3000円(大抵は月末発生)。クレジット支払い。60%が事業(ネットビジネス)に使用、40%が私的に使用する
(借方)通信費   (貸方)未払金    1800
(借方)事業主貸  (貸方)未払金    1200

プロバイダ料金がA銀行口座から引き落とされた
(借方)未払金  (貸方)A銀行口座    3000

不動産契約を結んだ
敷金50000円、礼金30000円、不動産手数料20000円、振込手数料300円、をA銀行口座から振り込んだ
20%が事業用、80%が私用
(借方)差入保証金  (貸方)A銀行口座    50000
(借方)雑費     (貸方)A銀行口座     6000
(借方)事業主貸   (貸方)A銀行口座    24000
(借方)雑費     (貸方)A銀行口座     4000
(借方)事業主貸   (貸方)A銀行口座    16000
(借方)支払手数料  (貸方)A銀行口座      60
(借方)事業主貸   (貸方)A銀行口座     240
敷金(差入保証金)は解約時には基本的に戻ってくるお金なので、全額を資本として計上します。
礼金、不動産手数料、更新料は戻ってこないので、按分して経費とします。

不動産を解約した
敷金50000円の内、10000円が修繕費に充てられ、残り40000円が現金で戻ってきた
20%が事業用、80%が私用
(借方)修繕費   (貸方)差入保証金     2000
(借方)事業主貸  (貸方)差入保証金     8000
(借方)事業主貸  (貸方)差入保証金    40000
敷金(差入保証金)の内、修繕や復元に充てられた金額は按分して修繕費に、賃料に充てられたら按分して地代家賃として計上します。

自宅兼事務所の家賃50000円をA銀行口座から振り込んだ。20%が事業用、80%が私用
(借方)地代家賃  (貸方)A銀行口座    10000
(借方)事業主貸  (貸方)A銀行口座    40000

来年1月分の事務所の家賃50000円を年内にA銀行口座から振り込んだ。
(借方)地代家賃  (貸方)A銀行口座    50000
(借方)前払費用  (貸方)地代家賃     50000
更に次年度への繰り越し処理をします。
(借方)地代家賃  (貸方)前払費用    50000

2000円のネットビジネスの本をポケットマネーで買った(100%事業)
(借方)新聞図書費  (貸方)事業主借    2000

A銀行口座に資金として100000円お金を入れた
(借方)A銀行口座  (貸方)事業主借    100000

A銀行口座からお金を10000円引き出した
(借方)事業主貸  (貸方)A銀行口座    10000

給与をA銀行口座から100000円支払った
振込手数料は300円、源泉所得税は1000円
(借方)専従者給与  (貸方)A銀行口座    100000
(借方)支払手数料  (貸方)A銀行口座      300
(借方)専従者給与  (貸方)預り金       1000
専従者ではなく従業員の場合は、借方の専従者給与を給与賃金にする

源泉所得税、法定福利費などの従業員からの預り金をA銀行口座から支払った
従業員負担分(預り金)は1000円、事業主負担分は1500円、振込手数料は300円
(借方)預り金    (貸方)A銀行口座     1000
(借方)法定福利費  (貸方)A銀行口座     1500
(借方)支払手数料  (貸方)A銀行口座     300
源泉所得税は従業員に代わり事業主が税務署に支払うことになっています。また、健康保険料、年金保険料など社会保険料の一部は、従業員と事業主で負担する割合が決まっています。給与から天引きしておき、事業主が代表で支払うことになっています。

ポイントで振り込まれるアフィリエイトの仕訳

楽天を例にします。ポイントで振り込まれるアフィリエイトの場合、アフィリエイトで得たポイントで購入した場合に、売上が上がったことになります(2007年9月現在)。過去の買物で得たポイントには税金はかかりません。しかし、税務署によって(というより担当者によって)見解は異なるようなので(おかしな話ですが)、管轄税務署に問い合わせてください。その際は担当者の名前もしっかり確認、メモしておきましょう。多分、そのうち統一見解が示されると思います。
実はまだ問題はあります。例えば、30000円のプリンターを全額ポイントで購入したとします。このとき、使った30000円のポイントの内訳は示されません。つまり、買物で得たポイントと、アフィリエイトで得たポイントの区別はされていないのです。これって、とても困ります。自分で勝手に決めてよい(決めざるを得ない)ということになるのですが、今持っているポイントの内、買物によるポイントが幾らで、アフィリエイトによるポイントが幾ら、と自分でしっかり管理しなければいけないことになります。
また、アフィリエイトのポイントに課税されるということは、現金と同じ扱いなのですが、楽天側できちんと区別されているのか、ということも問題です。でないとおかしなことになります。きちんと区別して、買物時にポイントの内訳が示されなければ、購入者、楽天、購入した店(楽天に出店している店)で矛盾が生じることになります。
ですが、おかしいから納税しないでいたら脱税になった、ということになっては自分が一番損をするので、とにかく税務署に確認してください。
ここからは、ポイントの内訳がしっかりできたと仮定して仕訳してみます。60%をネットビジネスに、40%を私用に使うとすると、
(借方)消耗品費  (貸方)売上高    18000
(借方)事業主貸  (貸方)売上高    12000
となります。

固定資産台帳をつける

一定額以上のものを購入した場合、一括して経費に入れるのではなく、何年かに渡って(減価償却)経費に入れていきます。通常は、購入額が10万円以上の場合減価償却します。逆に見ると、10万円未満なら一括して経費にできるということです。10万円以上なら、固定資産台帳を記帳することになります。
特例として、2003(H15)年4月1日〜2008(H20)年3月31日までに購入した場合は、購入額が30万円以上なら減価償却しますが、30万円未満なら一括して経費にしてもよいことになっています(減価償却してもよい)。2008年4月1日以降は、30万円という限度額が変更になることが考えられますので、ご注意ください。
ネットビジネスで該当しそうなものは、パソコン、車、事務所を兼ねている家などでしょうか。

償却する年数(法定耐用年数)も、物によって決まっています。
  • パソコン(サーバー除):4年
  • サーバー:5年
  • 軽自動車:4年
  • 普通車:6年
  • 住居:鉄筋47年、木造または合成樹脂22年(どんな造りかにより異なるので、ご自分の家の場合を調べてください)
法定耐用年数表は収支内訳書(一般用)の書き方 p.2 などを参照してください。

中古で購入した場合、法定耐用年数をそのまま用いるのではなく、耐用年数を計算して求めます。
  • 法定耐用年数の一部が経過している場合
    法定耐用年数−経過年数×0.8 (月は切り捨てる)
    例えば、製造から3年3ヶ月経過した普通自動車を購入した場合は、
    6(普通自動車の耐用年数)−39ヶ月(3年3ヶ月)×0.8÷12=3.4年  なので耐用年数は3年
    ただし、計算した耐用年数が2年未満のときは、耐用年数は2年とします。
  • 法定耐用年数の全部が経過している場合
    法定耐用年数×0.2(月は切り捨てる)
    例えば、製造から4年10ヶ月経過したパソコンを購入した場合は、
    4×0.2=0.8年  2年未満なので耐用年数は2年
    計算した耐用年数が2年未満のときは、耐用年数は2年とします。
ただし、改良費が取得価格(購入価格)の50%を超える場合は、この計算で耐用年数を計算できません。またソフトウェアについては、この方法は認められません。

H19年度税制改正で償却方法が変更になりました。2007(H19)年3月31日以前に取得したものについては旧計算法で償却しますが、2007年4月1日以降に取得したものについては、新計算法で償却します。
償却方法には2種類あります。定額方法と定率方法です。定率方法で計算するには税務署に事前に所得税の減価償却資産の償却方法の届出書を提出しておく必要があります。
定額方法で計算した場合、毎年同じ額を償却していきます。
定率方法で計算した場合、始めは大きな額を償却し、徐々に額が低くなっていきます。

償却方法(計算法)を書いておきます。nは耐用年数です。償却率は小数点第4位を四捨五入します。
旧定額法:減価償却費=取得価額×0.9×償却率(1/n)
旧定率法:減価償却費=期首未償却残高×償却率(1-(0.1)1/n
この式で計算した額がその年に償却できる上限額となります。これ以上の額をその年の経費に入れることはできません。
取得価格の95%まで償却することができます。5%(備忘金額)は廃棄か売却するまで毎年備品として計上します。

新定額法:減価償却費=取得価額×償却率(1/n)
新定率法:減価償却費=期首未償却残高×償却率(2.5/n)
1円まで償却することができます。1円は廃棄か売却するまで毎年残しておきます。

具体例を見てみましょう。2007年8月10日に300000円のパソコンを購入したとします。30万以上なので固定資産となり、2007年4月1日以降取得なので新計算法、税務署に届け出てないので定額法、パソコンの耐用年数は4年で償却します。備忘金額は1円です。未償却金額が1円になるまで毎年償却していきます。
日付 摘要 取得金額 未償却 償却額 専有 経費 計算方法
2007/8/10 購入 300000 300000   60    
2007/12/31 2007年分
減価償却
  268750 31250 60 18750 300000(取得価格)÷4(耐用年数)
×5ヶ月(8月〜12月)÷12ヶ月
×0.6(事業分)
2008/12/31 2008年分
減価償却
  193750 75000 60 45000 300000(取得価格)÷4(耐用年数)
×0.6(事業分)
2009/12/31 2009年分
減価償却
  118750 75000 60 45000 300000(取得価格)÷4(耐用年数)
×0.6(事業分)
2010/12/31 2010年分
減価償却
  43750 75000 60 45000 300000(取得価格)÷4(耐用年数)
×0.6(事業分)
2011/12/31 2011年分
減価償却
  1 43749 60 17250 1円を残して償却

この台帳を元に、毎年12月31日にその年の経費算入額を計上していきます。
固定資産台帳もソフトを使えば自動で計算してくれるものがほとんどでしょう。


複式簿記はいかがでしたか?いきなりこれを見ると、目が回りそうに感じた方も多いのではないでしょうか。
本来は、こうやって毎回の取引を複式簿記に記帳していき、決算時には減価償却費を計上、損益計算書と貸借対照表を作成し、青色申告(65万円控除)に必要な書類を作っていくことになります。

毎回の仕訳だけでも迷いそうなのに、決算時には更に計算書を作るなんて、と思われましたか?でも大丈夫です。大抵の会計ソフトは、仕訳を入力すれば、損益計算書と貸借対照表まで自動で計算してくれます。

便利ツール
お役立ち情報・小技
読者に好かれるセールス
ネットビジネスのあれこれ
自分で行う無料SEO対策
ネットビジネスの確定申告
更新情報
オンラインマニュアル
連絡先